(ねんちゅうぎょうじ)
【典籍】
猿投神社所蔵。江戸時代の猿投社の年中行事を、大禰宜家の春山正親と親真が安政6(1859)年に、検校家に伝わる本を袋綴2冊に写した。上冊は正月より七月朔日まで、下冊は七月七日より大晦日まで、社家と社僧の役割を含めて記す。主に社家の立場から記されるため、修正会はじめ仏事は詳らかでない。だが、修正会の際の神名帳奉読の作法や田遊の芸能、七夕の虫干会での舎利や宝物の開帳など、神仏習合時代の猿投神社の儀礼の様子がうかがわれることは興味深い。中世の『貞和五年年中祭礼記』と対比して猿投社の近世の変遷も知ることができる貴重な記録である。
『新修豊田市史』関係箇所:特別号67・112ページ
→ 猿投神社の聖教