粘土槨

 

(ねんどかく)

【考古】

古墳の墳頂部に墓壙を掘り、底に粘土を敷いて木棺を安置したのち、棺を保護するために周りすべてを粘土で覆い、土で墓壙を埋め戻した埋葬施設。棺を包み覆っている粘土そのものを粘土槨と呼ぶこともある。古墳時代前期中頃~中期にかけて多くみられ、市域では上郷地区にある中期後半の三味線塚古墳(5世紀中葉の円墳、径29m)で確認されている。三味線塚古墳の粘土槨は長さ4.9mの大きさで、長方形に掘られた墓壙の東側に片寄して設置され、粘土で被覆された槨内から長さ4.4mの長大な割竹形木棺が検出されている。

『新修豊田市史』関係箇所:1巻323ページ、19巻734ページ

→ 三味線塚古墳