灰部屋   

 

(はいべや)

【民俗】〈住生活〉

平地部では多くの家にクドや風呂から出た灰を保管する小屋があった。これをハイベヤ(灰部屋)、ハイゴヤ(灰小屋)といった。建物の屋根は瓦、壁は燃えにくいように赤土で塗ってあった。床は土間で、広さは10畳ほどもあった。燃えかすに火が残っていると火災の恐れがあるため、「灰はグロ(周辺)には寄せるな」といって部屋の中央に積んだ。クドの灰は酸性土壌を中和する役割をし、土壌改良につながる貴重な肥料になった。〈住生活〉

『新修豊田市史』関係箇所:16巻420ページ