『白氏文集』

 

(はくしぶんしゅう)

【典籍】

『白氏文集』は、中国・中唐の詩人、白居易(772~846)の詩集である。「もんじゅう」の呼称が流布しているが、正しい呼称は「ぶんしゅう」である。平安時代以降、『白氏文集』は『文選』等とともに、日本文学全体にさまざまな影響を与えたが、特に新楽府が収められる巻三・四は、広く流布した。猿投神社に伝わる『白氏文集』もすべて新楽府所収の巻である。現在 5 種類の写本 が 伝 わ り、 観 応 3(1352)年から翌年にかけて書写された巻子装の巻三と巻四の 2 巻、貞治 2(1363)年書写の列帖装の巻三の 1 帖(写真)、貞治 4 年書写の巻子装の巻三の 1 巻、貞治 6 年書写の巻子装の巻三の 1巻、南北朝時代書写の巻子装の巻四の 1 巻で、すべて国指定文化財となっている。


『新修豊田市史』関係箇所:特別号42・104ページ

→ 猿投神社の漢籍