(ばくだんていきあつ)
【自然】
爆弾低気圧とは、温帯低気圧の中心気圧が台風並みに異常に発達した低気圧の総称である。温帯低気圧は、日本列島の高緯度側を流れる寒帯前線ジェット気流の蛇行に伴う日本海低気圧、および低緯度側の亜熱帯ジェット気流による南岸低気圧に分類されるが、これらの低気圧が単独で発達する場合と、二つの低気圧が合体して異常発達する場合とがある。単独で発達する温帯低気圧は、南岸低気圧が南の海上で発生してから日本列島の太平洋岸に沿って北上し、亜熱帯大気が高緯度側の寒気に触れてオホーツク海で中心気圧が台風並みに下がる現象である。これに対し、日本海低気圧と南岸低気圧が北日本で2つ玉低気圧型となり、南岸低気圧からの亜熱帯大気と日本海低気圧からの亜寒帯大気とが触れ合うと、低気圧の中心が950hPa近くまで下がり、台風並みに発達する。特に、春・秋季には注意が必要である。したがって、北日本の太平洋側では漁業関係者、および観光船などは未然に気象状況を把握することが重要である。これに対して西日本の太平洋側、特に東海地方では移動性高気圧に覆われて晴れた穏やかな気候になることが多い。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻91ページ