初客      

 

(はつきゃく)

【民俗】〈人の一生〉

婚礼後、最初の儀礼的な里帰りを初客、新客という。鴛鴨(上郷地区)など市域平野部では日帰りの行事で、新嫁は主婦になった証として丸髷に結い、姑と一緒に帰って家族・仲人と会食をした。山間部の伊熊(旭地区)や黒田(稲武地区)では、婿の親が新嫁を伴って里方を訪れ、新嫁は一晩泊まった後、里方の親に送られて嫁ぎ先に戻った。これらの地区では婚礼の際に親同士が顔を合わせないため、初顔合わせの機会となっていた。〈人の一生〉

『新修豊田市史』関係箇所:15巻599ページ、16巻547ページ