(はつぼん)
【民俗】〈年中行事〉
故人が亡くなって四十九日が過ぎた後、初めて迎える盆。新たに亡くなった人の霊を丁重に供養するため、通例の盆とは異なる行事が行われる。稲武地区・旭地区・小原地区・藤岡地区・猿投地区・保見地区・石野地区などでは、ヒャクハッタイ、オタイトボシなどという行事があり、元はシンセキや近所の人が集まって、松明に竹の柄をつけたものを家から墓までの道沿いに点々と立てて灯した。新仏を家まで導くものとされ、現在は板に108の釘を刺したものを家の前に用意し、訪れた人たちがそこにロウソクを立てて灯す形になっている。挙母地区や高橋地区ではシンルイから提灯が贈られ、それを仏間や縁側にぶら下げた。猿投地区や保見地区では、シンルイらが、亡くなった人が男であれば三角、女であれば四角い晒の袋に米を入れてお参りに訪れた。そのほか、市域山間部では、初盆を迎える家を地域の人がまわって供養をする夜念仏や念仏踊りなどが行われた。〈年中行事〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻738ページ、16巻671ページ