（ビーオーディー（せいぶつかがくてきさんそようきゅうりょう））

【自然】

生物化学的酸素要求量（BOD）とは、Biochemical Oxygen Demandの略であり、川などから採水した水を密閉したガラス瓶に入れ、20 ℃で5日間暗所で培養したときに、水中の有機物が好気性微生物により分解される過程で消費される水中の酸素量（溶存酸素量）のことを指す。すなわち、採水当日の酸素量と5日後の酸素量の差が、微生物に消費された酸素量となり、河川における有機物による水質汚濁の指標となっている。河川水の中の微生物（細菌）が水中に存在する汚濁物質（有機物）を分解するときには、人が呼吸をするように酸素を使われる。有機物による水質汚濁が進んでいる場合は、水中に存在する有機物の量が多いため、微生物の数が増えて、微生物が有機物を分解するときに消費する酸素量も多くなる。一方、河川水の水質が良好な場合は、有機物の量が少ないため、微生物が消費する酸素量も少なくなる。そこで、この水中の有機物の量と微生物と酸素量の関係に着目して、水中の微生物が有機物を分解するときに消費する酸素量をもって、水中に存在する水質汚濁物質の量の指標としたものがBODである。一般に、BODの数値が大きい場合は、微生物が酸素をたくさん消費して有機物を分解している状態、したがって、水中に存在する有機物の量が多いことを意味し、有機物による水質汚濁の程度が大きいことになる。豊田市内では、逢妻男川や逢妻女川の都市河川で、BODがやや高い値で観測されている（令和３年）。

『新修豊田市史』関係箇所：23巻261ページ