火打石・火打金     

 

(ひうちいし・ひうちがね)

【考古】

古来、発火方法としては、火鑚臼等を用いた摩擦式と金属と石の打撃による火花式がある。後者は、鉄などの火打金に固い石材の火打石を強く擦り付けることで高温の金属細片(火花)を発生させて炎を火種に移す方法である。平安時代の文献にも火打石が記述されており、8世紀後半以降の火打金等の出土例がある。市域では、足助町城山城跡の腰曲輪で戦国時代(15世紀後葉~16世紀前葉)の竪穴状遺構から火打金が1点、永覚町本川遺跡の戦国時代の集落跡から熱を受けた珪岩を素材とする火打石が5点出土している。

『新修豊田市史』関係箇所:20巻484・684ページ