『東加茂郡地理歴史』

 

(ひがしかもぐんちりれきし)

【近代】

明治30(1897)年9月、東加茂郡小学校教員組合会が編さんした小学校用の地理・歴史の教科書である。山・川・湾・海・道・村・町とは何かという地理の基本知識から始まり、東加茂郡の位置・沿革・区画・面積・戸口を載せ、続いて郡内の山川・道路など地理的特徴を叙述する。足助・小渡・九久平・東大沼・明川・松平・大給・綾渡・林間・日明を郡内の著名な地区とし、その歴史と特徴をごく簡単に紹介している。人物としては足助重範・徳川親氏・原田重吉を取り上げている。風俗としては、郡民の性格は温順で、礼儀や質素を重んじるという特徴があるが、近年になって奢侈や華美の風潮が高まってきたと記す。印刷、発行したのは足助町の深見林右衛門(万林書籍店)である。


『新修豊田市史』関係箇所:4巻248ページ