東畑古墳群 

 

(ひがしばたこふんぐん)

【考古】

保見地区田籾町・篠原町に所在する3基からなる古墳群。伊保川と田籾川に挟まれた標高116mの丘陵上に築かれており、2号墳のみ現存している。1・3号墳は昭和50(1975)年に中部電力北豊田変電所建設に伴い発掘調査が行われている。南北径16m、東西径13mの円墳である1号墳の横穴式石室は、調査後、市教職員会館の敷地内に移築保存された。長さ5.05m、幅1.48mの玄室に1.05mの短い羨道が付く擬似両袖形の石室から杯や高杯・短頸壺・台付長頸壺などの須恵器と土師器甕が、3号墳からも須恵器や土師器鉢が出土し、7世紀中~後葉の終末期古墳に位置付けられる。古墳群は、田籾川が開析した最大幅300mの平地に依拠した有力者の墓域とみられる。

『新修豊田市史』関係箇所:1巻441ページ、19巻442ページ