(ひがん)
【民俗】〈年中行事〉
春分の日や秋分の日を中日とし、その前後の3日間を含めた7日間を春の彼岸、秋の彼岸という。春分の日や秋分の日は、昼と夜の長さが同じになり、太陽が真西に沈むことから、仏教の西方浄土の思想と結びつき、先祖供養をする期間となっている。この期間には、各家ではボタモチや団子を作り仏前に供え、墓参りに行くなどし、寺によっては法要が行われるので地域の人が参拝する。また、地域で行事を行うこともある。長興寺(挙母地区)では彼岸の初日に平べったい形のお彼岸団子を作り、中日にはボタモチを作り、期間中には墓参りをした。鴛鴨(上郷地区)では、虫供養と称して春と秋の彼岸の中日にイットウで百万遍を行い、養蚕で飼っていた蚕の供養をした。神殿(下山地区)では春の彼岸の時に地区の道場で住職による法要の後、供えた団子を撒く団子撒きがあった。団子祭りとも呼ばれ、町内の人が大勢集まったという。〈年中行事〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻711・746ページ、16巻639・678ページ