(ヒキガエル)
【自然】
ヒキガエル科ヒキガエル属のカエル。標準和名ニホンヒキガエル。東西2つの亜種に分割され、このうち市域に生息しているのは東日本亜種のアズマヒキガエル(写真)。比較的大型の頑健な体を持ち、全身にいぼ(毒腺)を持つ。成体は乾燥に強く、都市部でもしぶとく生き残ってきた種だが、近年各地で急速に数を減らしつつある。市域でもかつては全域に生息していたと考えられるが、現在では平野部の集団はほぼ絶滅状態にある。一方、丘陵地、山地を春先に調査すると、林道わきの水路や渓流のよどみ、大型哺乳類のヌタ場などの小規模な水域でしばしば卵塊を見かけることがあり、現在はまだ普通種といえる。ただ、場所によってはアライグマによる捕食が深刻な被害を及ぼしているケースがあり、慎重なモニタリングが必要である。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻536ページ