『尾三出土古鏡譜』

 

(びさんしゅつどこきょうふ)

【考古】

県内から出土した10面の鏡の拓本がつづられた折本。名古屋市の堀江瀧三郎が所蔵していたもので、大正期から昭和初期の作成と考えられている。豊田市出土の鏡としては、「三河国西加茂郡髙橋村大字百々古墳發見 三神三獣鏡」(実際は三神五獣鏡)と記された三角縁神獣鏡と、「三河西加茂郡髙橋村古鼡坂発掘」と記された内行花文鏡の2面が採録されている。三角縁神獣鏡の拓本は昭和38(1963)年に大阪歴史博物館が購入した豊田市出土とされる鏡と一致し、現在では2面の鏡の出土推定地は、前者は百々古墳、後者は古鼠坂古墳として遺跡登録されている。市域の矢作川中流域最上部の左岸に前期古墳が存在していたことを伝える貴重な資料である。

『新修豊田市史』関係箇所:1巻265・273ページ、19巻588・594ページ

→ 百々古墳古鼠坂古墳