日待ち 

 

(ひまち)

【民俗】〈信仰〉

決まった日の夜、皆で忌籠りをして夜明けを待ち、日の出を拝む信仰行事。お日待ちは次第に田植えや農作業などのムラの共同作業後、夜通し飲食をして楽しむ集まりへと変容し、昼の共同飲食もオヒマチと称した。一方、市域山間部では信仰行事としてのお日待ちが長くみられた。和合(下山地区)の杣沢組では、不動堂に祀られた「村神様」の祭りをオヒマチといい、秋彼岸の中日に行った。夕方から組の12軒が不動堂に集まり、僧侶に読経をしてもらった。その後、不動堂の鍵を持っているカギヤク(鍵役)の家で五平餅を作って食べ、一晩お籠りをし、翌朝の日の出を待って解散した。平野部の鴛鴨(上郷地区)ではイットウで行うオヒマチがあり、日中に行われた。正月、5月、9月に母屋の軒下に笹の葉の付いた竹を吊るし、左縄を綯って御幣を下げ、南を向いて般若心経を唱えた。遍照寺(浄土宗)の住職が勤行し、供えられた餅は勤行後に参列者に配られた。〈信仰〉

『新修豊田市史』関係箇所:15巻827ページ、16巻773ページ