琵琶翁(便々館湖静) 生没年未詳

 

(びわおう(べんべんかんこせい))

【近世】

狂歌師。別号に便旭堂。3代目便々館として琵琶連を率いて三河を中心に活躍した。嘉永3(1850)年頃、便々館の号を名古屋の加藤琵琶彦に譲り、隠居して「琵琶翁」と改号した。安政5(1858)年に刊行された『狂歌三河名勝図会』は、名古屋の狂歌師百樹園大人とともに湖静が撰者となり、三河琵琶連が中心となって編集された。足助の商人でもあった小出弓月とは親しく交流していたことがわかり、弓月が製作を手掛けていた焼き物(弓月焼)へ自身の狂歌を記すことを依頼するなどしている。写真は西尾市岩瀬文庫蔵『新続六々狂歌仙』に載る琵琶翁像。


『新修豊田市史』関係箇所:3巻577ページ