藤井源三郎  1884~1975

 

(ふじいげんざぶろう)

【現代】

藤井鉱業(通称藤源)創業者。明治17(1884)年9月16日瀬戸市に生まれる。幼少の頃から特に陶土に着目し、生涯の事業としてその採掘を手がけた。藤井の創業による藤井鉱業は昭和10(1935)年に飯野の粘土埋蔵地の採掘権を期限付で取得、同15年から操業を開始した。その後、飯野地内の他の鉱山を買収し、藤岡村内有数の企業としての地位を確立、当時の若者の間で「藤源に就職できれば一生安泰」といわれるまでになった。従業員数は昭和30年代までは100~150人ほどであったが、昭和40年代には230人くらいとなり、一番多いときには300人ほどを抱えていたという。昭和35年3月、藤井鉱業は工業統計調査に関わって通産大臣から表彰状が贈られ、同年には源三郎にも農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する者を対象とする黄綬褒章が授与された。11月16日には受章を記念して祝賀式が開かれている。その後、昭和50年3月に源三郎の功績を称えて当時の藤岡村中央公民館のそばに頌徳碑が建立された。昭和50年5月8日死去。享年91。