（ふだんぎ）

【民俗】〈衣生活〉

普段着のことをツネギ、ツネノキモノと呼んだ。農作業では田畑に人糞を撒くこともあり、泥で汚れるので、必ず着替えをした。男性は大正時代まで単衣や袷の無地の木綿や縞木綿、絣の長着を着用し、木綿の三尺帯や兵児帯をしめた。昭和に入ると白木綿、縞木綿、紺木綿などで作ったシャツを着てズボンをはくようになった。戦後は丸首シャツ、開襟シャツが着られるようになった。くつろぐ場合にはステテコとシャツ姿の人が多かった。女性は単衣や袷の無地の木綿や縞木綿（写真）、絣、更紗、ウールの長着に半幅帯を矢の字に結んだ。普段は縞の長着で、近所の手伝いをする時だけ絣を着たという話者もあった。第二世界大戦中にモンペをはくようになると、上衣は短くなり、長着を着なくなった。しかし、戦後、ウールの着物が流行すると、普段着にウールの着物を着る人もあった。洋服が普及すると、ブラウスやセーターを着て、スカートをはく人もあった。〈衣生活〉

『新修豊田市史』関係箇所：15巻237ページ、16巻236ページ