(ふどうみょうおう)
【美術・工芸】
不動明王は、密教の教主である大日如来の命令を受けて衆生を悟りへと導く使者であり、また大日如来が衆生を導く為に忿怒相であらわれた姿ともされる。基本は一面二臂像で、右手に剣、左手に羂索を持つ姿であらわされるが、四面四臂像のように多面多臂の姿であらわされることもある。不動明王は単独であらわされる場合のほか、①五大明王の中尊や八大明王の一尊像としてあらわされる場合、②二童子や三大童子、四童子、八大童子などの童子像を伴う場合、③毘沙門天とともに護法尊としてあらわされる場合などがある。また、不動明王が姿を変えたものとして倶利迦羅龍王がある。