(ブナ)
【自然】
ブナ科の落葉広葉樹で、月平均気温10℃以上が4~6か月続く冷温帯に分布する。この分布域は、リンゴ産地と一致する。日本海型ブナ林は、林床にチシマザサを伴い、太平洋型では林床にスズタケを伴い、上層にはウラジロモミやヒメシャラを混生する。ブナ林は、市内では面ノ木峠、寧比曽岳、三国山、六所山でみられ、駒山には市指定「羽布のブナ」が生育する。かつてブナ林は広く分布していたが、氷河期後の温暖・乾燥化により後退し、シイ・カシ類に置き換わり、標高が高い冷涼地で積雪等湿潤条件が満たされる地域に分布が限定されるようになった。さらに、第2次大戦後の奥山開発により伐採が進行し、多くのブナ林が姿を消した。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻362ページ