古橋懐古館

 

(ふるはしかいこかん)

【現代】

昭和33(1958)年の古橋義真50年祭に際して建設された、古橋家蒐集の書画骨董を展示する歴史民俗資料館。当初は展示室を置き虫干しに利用していたほか、折に触れて訪問者の案内をする程度であったが、昭和41年に旧味噌蔵を改修して拡張したのを皮切りに、総合病院として利用していた旧酒蔵を改修、展示室と連結させ、1号館(旧酒蔵)、2号館(旧展示室)、3号館(旧味噌蔵)の3棟を渡り廊下で繋ぐ巨大な歴史資料館として、改めて昭和46年7月25日に開館した。この日は元文3(1738)年7月25日に死去した古橋家初代義次の命日にちなむ。同館の所蔵資料は書画・古文書・民具など数万点に及び、その中には坂本龍馬・西郷隆盛・高杉晋作・吉田松陰・三条実美・岩倉具視など維新から明治にかけて活躍した名士の遺墨や書翰などが含まれる。また所蔵資料のうち「伊能図」は地図部分が縦約80cm、横約50cmで、東西は現在の新潟県の一部から福井県の全域、南北は石川県能登地方から静岡県遠州地方までを収めている。平成29(2017)年に収蔵庫を新築、施設の改修のために同30年度で一般公開を一時停止した後、令和3年10月から新出資料を含む5万点以上の所蔵資料の提供サービスを開始した。


『新修豊田市史』関係箇所:5巻346ページ

→ 一般財団法人古橋会川村貞四郎古橋義真