(へいしょうじにてんりゅうぞう)
【美術・工芸】
像高 西方天(持国天)140.8cm 東方天(多聞天)145.5cm、檜材一木造、内刳、彫眼、彩色(剥落)。現在、平勝寺(綾渡町)の観音堂裏にある収蔵庫内で観音菩薩坐像の脇侍として安置される二天立像である。二体は垂髻を結い天冠台をあらわし、着甲して邪鬼の上に立つ姿であらわされ、その形状や作風、構造が共通していることから、当初から一具の尊像として制作されたものと考えられるが、平治元(1159)年に制作されたことがわかる中尊・観音菩薩坐像に比べると少し時期が遅れて制作された尊像とみられる。当初は四天王として制作された尊像の二体が残り、現存する二体の腕部には失われた別の尊像の部材が利用されている可能性も指摘されている。二体の光背は大略一枚の檜の板材から彫出し、周縁の火焔は透かし彫りとされている。また、両像ともに足下の邪鬼は、他像からの転用と考えられている。県指定文化財。
『新修豊田市史』関係箇所:21巻102ページ
→ 四天王(二天王)