(ほうしゃせいたんそねんだいそくていほう)
【考古】
理化学的年代測定法の一つ。大気中の窒素(14N)に宇宙線があたることによって生成される炭素の同位体の一つである14Cが一定の割合で14Nに壊変することを利用して年代を測定する方法。14Cは安定した炭素同位体である12Cと同じように酸素と結合して二酸化炭素CO2となり、光合成により植物に取り込まれ、植物を食べる動物の体内に取り込まれる。動植物が死ぬと炭素が取り込まれなくなり体内の14Cは5730年で半分になる割合で14Nに変わっていくため、試料に残っている14Cの含有量を計測することによって年代を測定することが可能となる。古い時代のものほど14Cの含有量は少なくなり、5~6万年前までが放射性炭素(14C)年代測定法で測定できる年代の限界であるが、後期旧石器時代~弥生時代頃までの年代測定に適した方法である。大気中に14Cが含有される割合は宇宙線の強さの変動などによって一定ではないために測定された年代値は暦年代とは一致しないが、年輪年代や年縞年代などを用いた補正により暦年代に近い年代(較正年代)が得られるようになってきている。
『新修豊田市史』関係箇所:1巻79ページ、18巻685ページ