法然像

 

(ほうねんぞう)

【美術・工芸】

法然房源空(1133~1212)は浄土宗宗祖として、浄土宗および法然門下の親鸞を宗祖とする真宗の寺院で肖像画が制作され尊崇された。法然の肖像画は知恩院本(京都府)法然上人絵伝(四十八巻本)によれば後白河院や弟子・信徒の求めに応じて生前すでに制作されていたようである。現存する著名な肖像画としては、いずれも13 世紀制作の二尊院(京都府)の「足曳御影」、金戒光明寺(京都府)の「鏡御影」などの坐像、15 世紀制作の立像である知恩院(京都府)の「宝甁御影」などがある。真宗においては、親鸞自身が法然像を作らせ師に賛を乞うたことがあり、妙源寺(岡崎市)の法然像はこの折の肖像画との伝承がある。また、真宗の七高僧像では浄土教の第 7祖として法然の肖像画が組み込まれる。市域では浄土宗鎮西派の高月院、隣松寺、真宗大谷派の皆福寺、願正寺、芳友寺、曹洞宗の浄禅寺に法然上人像が伝存するが、いずれも近代に制作されたものである。

→ 浄土宗の絵画法然絵伝