(ほんだコレクションのえんくうぶつ)
【美術・工芸】
豊田市民芸館(平戸橋町)に、円空仏24体と円空が書いた神符1枚が蔵されている。これらは、本多静雄が蒐集した像と神符を、豊田市へ寄贈したものである。諸像を分類すると、如来形2体、菩薩形9体(観音菩薩6体、虚空蔵菩薩2体、如意輪観音菩薩1体)、明王形1体、天部形5体、祖師像等2体、神像5体である。24体の像のうち、背面に尊名が書かれてある像が4体(「金剛童子」、「白山妙理大権現」、「荒神」2体)ある。また、背に書かれた種子によって尊名がわかる像が6体(「〓 サ・観音菩薩」4体、「〓 タラーク・虚空蔵菩薩」、「〓 キリーク・如意輪観音菩薩」)ある。これによって、富士山状頭部の頭頂部が円盤形に造られた像が虚空蔵菩薩とわかる。さらに、頬に右手をあて、右膝を立てた形態が如意輪観音菩薩と特定できることも貴重である。
『新修豊田市史』関係箇所:21巻127ページ
→ 円空仏