盆棚

 

(ぼんだな)

【民俗】〈年中行事〉

盆の期間、先祖供養と施餓鬼のために用意される棚。精霊棚、オショロイ棚ともいい、毎日供え物をしてお参りする。太平洋戦争以前は、仏間の縁側の前のニワに竹を立てて棚を飾ったが、戦後は仏壇の前に机を出したり、仏壇に備え付けの棚板を引き出したりして飾るようになった。棚にはチガヤやマコモなどで作ったゴザを敷き、サトイモの葉や蓮の葉を敷いた。棚の一番奥に仏壇から出した位牌を並べ、季節の野菜を供えた。盆の13日の夕方に精霊を迎えると、朝・昼・晩と毎日食事を供え、餓鬼の分も別に用意した。各家で違いはあるが、13日晩の迎え団子、14日昼のボタモチや饅頭、15日昼の素麺は決まって供えることが多かった。また、市域では15日に「オショロイさん(精霊)がヤシャカの市に行かっせる」といい、その乗り物としてナスやキュウリにアサガラで足つけた馬を用意したところが多い。16日朝には送り団子を供えて精霊を送り、盆棚を片付けた。〈年中行事〉


『新修豊田市史』関係箇所:15巻730ページ、16巻664ページ