マイクロバス通勤

 

(マイクロバスつうきん)

【現代】

1960年代から豊田市農山村地域で始まった特殊な通勤形態を指し、豊田市をはじめとする周辺地域の工場へ通勤するために、多くの農家がマイクロバス送迎を利用した。豊田市や周辺地域で工業化が進み、その労働力不足を補うために農山村地域でトヨタ自動車工業株式会社(トヨタ自工)やその関連工場の期間工などの募集が始まった。東加茂郡を対象にした当時の愛知県の調査によると、昭和44(1969)年時点で、通勤兼業者数は4878人、うちマイクロバス等による通勤者数は1584人であった。郡内には各集落を結んだ通勤路線網が張り巡らされ、奥地集落の住民を送迎バス運転手と工場労働者を兼務させて豊田市内などの工場へ送迎することも行われていた。農業従事者の通勤兼業化によって、農家の所得は向上し、その後の農家の経済状況や日常生活に大きな影響を及ぼすことになった。


『新修豊田市史』関係箇所:5巻214ページ

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