万灯まつり

 

(まんどまつり)

【民俗】〈年中行事〉

盆の時期、石野地区の芳友、小峯、下室、山中などの地域で男の子たちが、マンドと呼ばれる麦カラの松明を墓場などで振りまわす行事。振りマンドなどともいう。芳友では、8月14日と15日に行われ、万灯まつりで火を灯すことが盆の迎え火と送り火になるといった。小学1年生から中学3年生の男の子たちが中心となり、中学3年生が指揮をし、25歳までの若い衆が手伝った。日が暮れる頃、子どもたちは一人一つずつ「額」と呼ばれる竿がついた行灯を持って墓場の前の万灯場まで行き、フジ蔓を輪にして麦カラを束ねて火を点け、「鬼でも餓鬼でもコンバコイ、コンバコイ」と声を出して振りまわした。麦カラが全部なくなると「額」を持って神社や薬師如来に参拝し、花火をした。芳友では、大雨で祭りをやめた年に疫病が流行ったことがあり、必ず行事を行うようになったという。小峯でもこの行事を中止した年に大雨があり、それ以来、欠かさず行っているという。〈年中行事〉


『新修豊田市史』関係箇所:16巻672ページ