御内平古墳

 

(みうちだいらこふん)

【考古】

市域北西部の藤岡地区深見町の中山間地を流れる飯野川左岸沿いの、南に小平地を臨む丘陵先端部に単独で築かれた横穴式石室を主体部とする径11mの小円墳。戦前に調査を行った小栗鉄次郎の「西加茂地方考古図譜 壱」には、擬似両袖形の横穴式石室の図面が掲載されているが、現在では南方向開口の石室の内部に土砂で埋まっていて、一対の門柱石は見ることができない(写真)。羨道部の側壁は墳端まで及んでいるが、小栗が記録した玄門から0.9m地点以南では積み方が異なるので、後世に改変された可能性がある。石室の形状および採集された須恵器の平瓶から、7世紀後葉の築造とみられている。市指定史跡。


『新修豊田市史』関係箇所:1巻264・439ページ、19巻746ページ