(みかげいし)
【民俗】〈諸職〉
御影石は花崗岩の別称で、切石(墓石・石塔・石灯籠・敷石など)や間知石(石垣に用いられる四角錐の石材)などに使われた。採掘は市域山間部で行われ、松平・足助・下山・稲武地区では緻密な石質、藤岡・小原地区では荒い石質のものが産出された。御影石は石質と色調で分類され、きめの細かい石はコメ、中ぐらいをチュウメ、荒い石はアラメといい、色調では白色をシロ、青色はアオメ、黒色をクロイシといった。採石場を丁場といい、許可を得て、ヤマダイ(山代)と呼ばれる採掘料を支払って掘った。稲武地区黒田は雲母の少ない良質な御影石を産出したところで、丁場は3階建てのビルぐらいの高さがあり、櫓を組んで作業した。採掘の際には、まず黒色火薬を用いて発破をかけて岩を割り、次にヤマドリ(山取り)といって、メ(筋目)に沿って目的に合わせた大きさに割っていった。算出した石の量は一立方尺で測り、その単位をサイ(才)といった。〈諸職〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻202ページ