三河地震の地表地震断層

 

(みかわじしんのちひょうじしんだんそう)

【自然】

昭和20(1945)年1月13日に発生した三河地震(マグニチュード7.1)は、活断層である深溝断層が活動した内陸直下型地震である。この地震では、西尾市江原町付近から蒲郡市形原町付近までと海底を含む約28kmに渡って、明瞭な地表地震断層(横須賀地震断層、深溝地震断層)が出現した。地震断層は、西側が東側に乗り上げる逆断層運動が主体であり、南西側が隆起する変位が見られ、地表地震断層に沿っては、最大で約2mの隆起が確認された。地表地震断層の分布は、南北方向とこれらを繋ぐ東西方向を組み合わせた分布形状を呈しており、地表地震断層が東西に分布する中央部では、見かけ上左横ずれ方向の変位も見られた。南部の三河湾沿岸では西側が約0.7~1.5m隆起し、さらに地震断層の最南部は海底に連続した。海底での地殻変動に伴い蒲郡などで小規模な津波が確認されている。

『新修豊田市史』関係箇所:23巻667ページ