宮口古墳群

 

(みやぐちこふんぐん)

【考古】

市域北部の小原地区永太郎町の山間地を流れる田代川左岸の丘陵突端に近接して築かれた4基の小規模な古墳からなる古墳群。市指定史跡。田代川を挟んで対峙する丘陵上にある堤1・2号墳とともに、矢作川水系における県内の古墳分布の北限に当たっている。昭和50(1975)年に発掘調査が行われ、いずれも内部主体は横穴式石室で、1・4号墳は一対の門柱石で玄室と羨道が区切られた擬似両袖形であることが明らかにされた(写真:4号墳)。損壊が著しい2・3号墳では胴張り形の玄室の側壁の一部が検出されたに留まる。出土遺物はほとんどなかったが、本古墳群出土と伝わる須恵器5点は7世紀前葉~中葉のもので、石室の形状をも踏まえると、いずれも7世紀代の築造と推定される。


『新修豊田市史』関係箇所:1巻264・433・438ページ、19巻752ページ

→ 堤1・2号墳