棟札

 

(むなふだ)

【古代・中世】

建物の建立や修理、再興などについての記録を墨書した木札で、棟木に打ち付けたり屋根裏に納めたりした。建物が造立された由来や年月日、願主や大工など関係者の人名、身分などの情報が記されている。願主は地域の有力者である場合が多く、中条氏・鈴木氏・三宅氏・松平氏などの名前が載ることもあり、地域の歴史を辿る上での重要な資料である。ただ、木札であるから長い間に傷んで写しだけが残ったり、作り直されたりする場合もある。逆に建物が失われて棟札だけが残る場合もある。記載内容を史料として利用する場合には、そうした点に注意も必要であろう。市域に関係すると思われる江戸時代より前の棟札は、写しも含めて39点確認されており、市域の各所に広く残されている。最も古いものは貞和5(1349)年3月に猿投社(猿投神社、猿投町)の神輿宿を改造した時のものであり、最も時代が下るのは文禄4(1595)年12月に鹿島社(幸町)の屋根を葺いた時のものである。

『新修豊田市史』関係箇所:2巻646・648ページ