(もとまちこうじょう)
【現代】
元町(挙母地区)に立地するトヨタ自動車の国内工場の一つ。日本初の乗用車専門工場として建設され、昭和34(1959)年8月より稼働している。平成23(2011)年末現在で敷地面積は159万m2、従業者数は7391人を抱えるトヨタ自動車屈指の主力組立工場であり生産技術部も併設されている。令和2(2020)年では、ハイブリッド車を含めてクラウンやノア、ヴォクシーなどの中大型車のほか、燃料電池車であるMIRAIなど次世代を担う自動車の生産も行われている。元町工場設立の経緯は次の通りである。トヨタ自動車は昭和28年に国産の自動車生産の方針を明確にし、新たな工場の建設とともにテクニカルセンターの建設をも視野に入れた経営計画を実行に移していった。こうして誕生したのが元町工場である。挙母市も昭和29年に工場誘致奨励条例を制定し、新たな工場の建設を側面から支えた。元町工場の建設地は、本社工場や戦後に創設された豊田鉄工ならびに協豊製作所と近接していたこと、かつて川崎航空機とともに設立した東海航空機の用地(旧衣ケ原飛行場北側)であったため引き込み線や工作物の利用が可能であったこと、さらに、名古屋鉄道三河線土橋駅にも近く通勤の便も良かったことが評価され、工場の新設場所としての立地環境に優れていた。写真はトヨタ自動車株式会社提供。
『新修豊田市史』関係箇所:5巻101・108・293ページ
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