(やくしにょらい)
【美術・工芸】
薬師如来は、仏教が大乗仏教の段階に発展して登場する仏陀(如来)で、東方浄瑠璃世界の教主である。薬師如来は、十二の誓願(=十二大願)を立てて成仏し、人々を病気や飢えなどから救うとともに、国家の災禍も除く如来である。薬師如来の信仰は、日本では飛鳥時代からみられるが、特に平安時代以降の薬師如来像は左手に薬壺をのせる姿であらわされることが多く、この持物からその如来像が薬師如来であることがわかる。また、薬師如来は脇侍菩薩として日光菩薩と月光菩薩を、護法尊像として十二神将を伴う場合もある。