矢遠古墳

 

(やとおこふん)

【考古】

保見地区東保見町の丘陵南麓にあった7世紀後半築造の古墳。昭和49(1974)年に市教育委員会による発掘調査が行われている。終末期古墳としては規模が大きい直径15m以上の円墳で、横穴式石室は全長9.8mにも及ぶ。終末期の有力墳に特有な細長い胴張り形の玄室をもつ擬似両袖形石室で、石室内から銅鋺写しの須恵器などが出土している。古墳時代終末期の伊保谷の首長墓であり、7世紀末頃に建立された伊保廃寺とのつながりを考える上で重要な古墳となっている。発掘調査後、現在の保見文化財倉庫の北側に移築復元された。

『新修豊田市史』関係箇所:1巻446ページ、19巻460ページ