(やはぎがわかしょうまいぼつりん)
【自然】
矢作川の河床に露出している樹木の立ち株や倒木など。かつての森林が土砂で埋められているので「埋没林」という。その場所は、東名高速道路の矢作川橋から下流の天神橋付近までの区間。埋没林は、細かい砂が混じる泥層に根を張っており、樹種は主に落葉広葉樹からなる。樹齢は100年ほど、幹の直径は40cmを越えるものもある(写真)。樹木の放射性炭素年代(14C年代)は、3400~2800年前(縄文時代の晩期)を示し、当時、このあたりに森林ができていたことがうかがえる。埋没林は、須恵器を含む礫混じりの粗い砂(マサ)で埋められているので、古墳時代に土砂で埋められたことになる。その後、土砂が洗い流されて、かつての森林が河床に顔を出すことになった。なお、河床に露出する埋没林は、現在のところ、津軽平野の岩木川とここ矢作川のみで、全国的にはかなり珍しい。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻56・61ページ
→ マサ土