(やはぎがわすいげんききん)
【現代】
矢作川水源地域の森林の保全対策に対して助成を行う公益財団法人。昭和53(1978)年2月10日設立。治水と水資源の安定的確保の推進を目指す。アジア・太平洋戦争後の林業不況は山村からの人口の流出を招き、それに伴う人材不足は林地の放置へとつながった。枝打ちや間伐などが必要とされる林地が目立つようになっても手入れが行き届かず、森林の荒廃が進んだ。矢作川の流域は72%が森林であり、そのうちこうした手入れをしなければならない人工林が約60%を占めるが、人工林の放置は、雨水などを吸収して水源の枯渇を防いだり、水流が一時に河川に集まって洪水を起こすのを防いだりする水源涵養機能の低下をもたらす。矢作川水源基金は、その抑制のための植林・下刈り・間伐などの森林の保全対策に助成を行い、それと併せて「流域はひとつ、運命共同体」のスローガンのもと、流域内の交流を目的とした水源地体験事業、上下流の地域交流事業を実施し、関係地域の振興および流域の一体的な発展などを目指している。
『新修豊田市史』関係箇所:5巻456・686ページ、13巻440ページ、14巻345ページ