山ノ神古墳

 

(やまのかみこふん)

【考古】

高橋地区渋谷町の上位段丘面(挙母面)に所在した7世紀末築造の古墳。昭和56(1981)年に市教育委員会によって発掘調査が行われている。墳丘の規模などは不明であるが、横穴式石室は終末期古墳としては大型で、全長7.3m、最大幅1.7mにも及ぶ。石室は擬似両袖形で、玄室の形状はこの時期の有力墳に特有の細長い胴張り形を呈している。副葬品には市域唯一の飾大刀である三累環頭大刀柄頭(写真)をはじめ、蛇紋岩製の丸玉や耳環、鉄鏃・刀子などがある。飾大刀はヤマト政権を構成する勢力から配布された古墳時代後期の代表的な威信財であり、被葬者がこの地区の伝統的な有力首長であったことを物語っている。


『新修豊田市史』関係箇所:1巻468・505ページ、19巻658ページ

→ 鉄製武器