有畜農業

 

(ゆうちくのうぎょう)

【現代】

田畑を耕す耕種農業と家畜飼養を組み合わせた農業形態で、対義語は無畜農業である。耕種農業が機械化や化学肥料の導入で化学化する以前、動力源や肥料源などとして家畜が重宝された。昭和28(1953)年9月に有畜農家創設特別措置法が公布されると、牛馬やめん羊を取り入れた有畜農業が奨励され、その導入にあたり経済的補助が行われた。市域の山間地域では、それまでも庭先での馬の飼養や養鶏が行われてきたほか、肉用素牛の飼養を中心に有畜農業がみられた。しかし、昭和30年代後半から耕種農業の近代化とともに、トヨタ自動車工業株式会社やその関連企業に通勤する人々が増加するようになると、労働力不足がみられるようになった。そのため、山間地域における家畜飼養は衰退を余儀なくされた。一方、平地農村でも昭和30年前後から商品生産農業として牛のほか豚や鶏などが導入された。

『新修豊田市史』関係箇所:5巻77ページ、6号90ページ、8号140ページ

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