(ゆかん)
【民俗】〈人の一生〉
遺体を清める湯灌には特別なしきたりがあった。下佐切(足助地区)では筵の上に盥をのせ、水、湯の順に注いで逆さ柄杓で遺体に湯をかけた。黒田(稲武地区)では、湯灌をする人は着物を左前に着て帯は藁で縛り、御作(藤岡地区)では紙襷をつけ、帯には縄を用いた。伊熊(旭地区)では湯灌が済むと塩を持って裸足で川まで行って清めた。湯灌の水は穢れており、千足(挙母地区)では日が暮れてから、墓に掘られた深い穴に捨てた。〈人の一生〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻638ページ、16巻582ページ