洋食

 

(ようしょく)

【民俗】〈食生活〉

戦後の生活改善運動では、食生活の改善も推し進められ、家庭の食生活も大きく変化した。洋食は盛んに開かれた料理教室や新聞の家庭欄、料理本、テレビの料理番組などで紹介され、若い主婦たちにより作られるようになっていった。この時期の洋食は、コロッケ、ハンバーグ、スパゲティ、マカロニ、ポテトサラダなどであった。洋食の代表格であるカレーライスは、昭和20年代末から30年代中頃にかけて「初めて作った」「食べた」という人が多い。最初は袋入りや缶入りのカレー粉を、地区のよろず屋のような店で買ってきた。各社が販促活動に力を入れていたことも、カレーライスの普及を後押しした。初期のカレーライスは小麦粉を入れてとろみをつけ、肉の代わりにチクワを入れたりしていた。子どもに人気のメニューで、年に数回のごちそうであった。しかし年配者のなかには口に合わず、馴染めなかった人もあったことから、洋食の普及には家ごとの差も大きかった。〈食生活〉

『新修豊田市史』関係箇所:17巻499ページ