吉原区民会館

 

(よしわらくみんかいかん)

【建築】

吉原町(高岡地区)。豊田と安城を結ぶ旧安城街道沿いに、東を正面にして建っている。吉原区民会館は、間口11間、奥行5.5間、正面中央にオーダー柱を持つバルコニー付きの玄関車寄せを備える。木造2階建、寄棟造、桟瓦葺、外壁は下見板張り。2階大広間(講堂)に掲げられた銘板によれば、昭和2(1927)年10月1日に着工、翌3年7月15日に吉原産業組合の公会堂として建てられた。建築請負を安城の大安組、設計者は同社の鹿島衣造、大工は信州岡谷の黒河内梅太郎、車寄せ(人造石左官)は桜井の石川貞次郎、建築委員に吉原整理組合長大田喜四郎ほか9人が名を連ねている。昭和8年には、農林省(現農林水産省)の指導と工費補助で、農業倉庫、精米所、正麺所、集荷場などの建物が隣接して建てられたが、平成17(2005)年の区画整理で取り壊された。現会館は、創建時の図面も残された数少ない近代建築となっている。


『新修豊田市史』関係箇所:22巻461ページ