(りんしょうじけまん)
【美術・工芸】
隣松寺(幸町)所蔵。縦29.5cm、横35.0cm、胎厚0.3cm、銅造、12枚、慶長12(1607)年銘。市指定文化財。この華鬘は団扇形で、頂辺より総角を垂下し、その左右に蓮池に浮かぶ開敷蓮華と未開敷蓮華と蓮葉一対をそれぞれ表している。団扇形周縁には金銅覆輪をめぐらし、頂辺には花先形を吊鐶座とし、切子頭鐶台を付している。陰刻銘が裏面左右の縁に、「為憲瑩玄白御菩提奉寄進三州上野林正寺者也」「慶長十二年三月五日施主鴛鴨於ミツ敬白」とある。徳川家康の四男で、清須城主であった松平忠吉が28歳で没したため、その養母於ミツが忠吉の菩提を弔うために寄進したものである。
『新修豊田市史』関係箇所:21巻407ページ
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