(りんしょうじせんたいじぞうそんず)
【美術・工芸】
隣松寺(幸町)所蔵。室町時代(16世紀)、絹本濃彩、縦116.2cm、横60.2cm、市指定文化財。須弥山と思われる岩山の山頂に半跏する地蔵を中尊に、その左右に不動明王の眷属二童子のような掌善童子・掌悪童子の立像を小さく配する三尊構成の背後一面に千体地蔵立像がびっしりと充填される。三尊は『延命地蔵菩薩経』に説かれる延命地蔵とその眷属であり、千体地蔵は『地蔵菩薩本願経』に説く、無数の世界に遍満して衆生を救う無数の地蔵菩薩の化身を示している。両経典とも中世における地蔵信仰の代表的経典であり、本図はそれらの理念を統合したものと思われる。本図は平成13(2001)年に盗難にあい所在不明である。
『新修豊田市史』関係箇所:21巻265ページ
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