隣松寺徳川家康像

 

(りんしょうじとくがわいえやすぞう)

【美術・工芸】

隣松寺(幸町)所蔵。像高32.2cm、木造寄木造、内刳、彫眼、黒漆塗り。本像は寺伝では永禄6(1563)年から7年かけて起こった三河一向一揆において、酒井忠尚と戦った折の戦勝祈願の姿とされ、兜を被り、大袖衣・袴を着けて着甲して、左腰に刀を差し、左手は腹脇で拳を握り、右手に軍配を執り、顔を正面に向けて、沓を履いて倚坐する姿であらわされている。徳川家康の肖像は束帯姿が基本であり、本像のような着甲して倚坐する姿は希少である。本像の制作年代は江戸時代中期以降とみられる。市指定文化財。


『新修豊田市史』関係箇所:21巻24ページ