隣松寺山越阿弥陀図

 

(りんしょうじやまごしあみだず)

【美術・工芸】

隣松寺(幸町)所蔵。室町時代(16世紀)、絹本濃彩、縦112.6cm、横51.0cm、市指定文化財。群青の虚空を背に、折り重なる山脈の彼方から、胸前で転法輪印を結ぶ阿弥陀如来が、正面を向いて胸から上をのぞかせる。中世においては阿字観や月輪観をもとに十五夜の月が西に没するさまから阿弥陀をイメージすることがしばしば行われており、山越阿弥陀図はこれが機縁となって成立した図像と考えられる。寺伝では、本図は尾張徳川家初代・徳川義直の寄進によるという。本図は平成13(2001)年に盗難に遭い、所在不明である。

『新修豊田市史』関係箇所:21巻263ページ

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