連続2交代制 

 

(れんぞく2こうたいせい)

【現代】

トヨタ自動車は平成7(1995)年5月8日から、それまで30年余り維持し続けてきた昼夜2交代制を連続2交代制に変更した。深夜から未明の勤務を少なくし、1直(早番)は朝6時半から15時15分まで、2直(遅番)は夕方16時15分から深夜1時までとした。2週間1サイクルで、土日休みを挟んで1直と2直を繰り返す勤務体制だった。平成不況と円高の進行によって一層のコスト削減が求められたと同時に、労働時間の短縮や、中高齢者・女性・若者により優しい勤務形態が求められたからである。人口の7割が自動車関連産業に関わっている豊田市では、この変更によって市民生活にも多大な影響がみられた。商業施設における営業時間の変更や延長、早番と遅番の出勤が重なる午後3時過ぎから1時間ほど生じた交通渋滞などのほかに、家庭生活も大きく変わった。家族での共食が減る一方で、残業や深夜労働の減少によって夫婦揃って買い物に行ったり、子どもの送迎や家事・育児の分担の可能性も増えたりという変化も生じた。またボランティア活動参加へのチャンスも生み出した。

『新修豊田市史』関係箇所:5巻546ページ