(ろあな)
【考古】
炉穴は、旧石器時代~縄文時代早期にみられる炉の一種とされる遺構である。竪穴建物の屋外に深く掘られた長方形ないし楕円形の長さ2~3m・深さ0.5~1mの坑で、片側半分に火を焚いた痕跡が残っている。多くの場合、2、3基あるいはそれ以上の坑が重複・群在して発見されるが、覆屋の有無については明らかではない。また食糧を燻製するなどの目的で築かれたともいわれているが、この点に関しても詳細は不明である。小牧市浜井場遺跡では縄文時代早期の煙道付炉穴が良好な状態で見つかっているが、市域でも縄文時代早期の炉穴の残欠とみられる遺構が上郷地区水入遺跡(24基)、高橋地区栃原遺跡(1基)、足助地区下平町馬場遺跡(2基 写真)などで見つかっている。上記の浜井場遺跡のような煙道付炉穴は斜め方向からトンネル状の坑を掘り連結させたもので、市域でも稲武地区下り山A遺跡(早期後半1基)などで確認されている。
『新修豊田市史』関係箇所:1巻91・96ページ、18巻68・98・373・624ページ
→ 炉跡