割木作り

 

(わりきづくり)

【民俗】〈諸職〉

割木は丸太を縦に割って薪にしたもので、昭和30年代半ば頃までは一般家庭でのクド(竈)や風呂の燃料として使われた。市域山間部では瀬戸や東濃の窯屋の燃料として出荷し、貴重な現金収入源となった。山に生えている雑木をカナギ(金木)、カタギ(堅木)と呼び、クヌギやコナラを伐って割木にした。割木になるのは二つ割できる太さ以上の木で、それ以下の木や枝の部分はナルといって値が安かった。また、アカマツは窯業燃料として価値が高く、別扱いされた。伐った木は尺2寸(約36cm)の長さでタマギリ(玉切り)にし、山で棚に仕立てて乾燥させた。高さ3尺(約90cm)、幅6尺(約180cm)に積み上げた棚を1マイ(枚)とし、これが作業量を計算する際の単位となった。乾燥した割木はタガ(箍)で締め、束にして山から下ろし、仲買人が買い取った。大きな山では、雑木を伐るキリコ、束にするシバリコ、下ろすダシヤを雇うこともあった。〈諸職〉

『新修豊田市史』関係箇所:15巻46ページ